2012年6月2日土曜日

認知症の特徴 〜記憶力低下と無気力編〜

母がホームに移って、1年と4ヶ月目に入った。

病名は一応『アルツハイマー型認知症』

時が過ぎてひどく悪化しているかと言うと、入居当時に主治医から言われた「ご家族の認識ができるだけ長くできるように・・・」という段階はクリアできているかもしれない。

以前書いた『固執』的特徴はまだまだ首位の座を譲らずに続いているが、その出方は緩やかになり、当時よりは穏やかに怒鳴ったり罵ったりせずに納得してくれるようになり、性格の一部になったような感じで定着し落着いている。

これは:
① 信頼関係による安心感

スタッフの方々の礼儀正しい、温かい接し方のお陰で、信頼関係が肌で感じられるようになって来たことからの『安心感』によるものと思う。

ホームの方々には本当に良くしていただいている。

② 新薬の効果

昨年5月から飲み始めた新薬の、メマリー錠とレミニール錠が精神的均衡を保つためには効力を発揮していると思う。

これらの薬は、本人のためもあるが、攻撃性がかなり減少してくれるので介護者にはありがたい薬かもしれない。

【記憶力の低下】
現在の母は『瞬間・瞬間』

普段の会話はとてもスムーズに成り立つ。
受け答えはいいし、会話内容もとてもしっかりしている。
相談にも乗ってくれるし、一生懸命一緒に悩んでくれる。特に元経理担当だけあって、金銭関係のこと(ホームの費用や母の貯金・・・等)と、感情面に訴える悩み相談に威力を発する。

しかし、話していた内容は恐ろしい速さで忘れて行く。自分の意見を言い終わったところで、何を話していたか忘れてしまう。

多分、雑誌の記事、テレビの連続物は全く意味をなさないはずだ。
ドラマを観ていても、会話とは違い、一方通行なので記憶能力に刺激が行かずストーリーがつながらない。
新聞や雑誌、本なども読んだことが頭に入らない。

そこで、最近の苦痛は『日記に書くことがない、だから書くのを止めたい』
書くのをやめたらもっと悪化するのだが。

これは、日常生活の変化のなさのせいだけではなく、書くことを思い出せない、楽しいことがあっても書き留める前に忘れてしまって、真っ白になってしまうから。書きたくても書けないことによるジレンマのせいだと思う。

思い出すことができるのは、毎日時間が決まっていることと規則的に起きていることだけ。
何時に朝ご飯を食べた、お昼、夕食。薬を飲んだ。週二回の入浴。
それから週4〜5回の家族の訪問、「○○が来てくれた。」

日記を読み返すとそれしか書いてないので、誰も来ない日は自分がしているのは食べて寝ているだけと思い始め、生きていても仕方ないと無気力状態に陥る。
アクティヴィティ参加などを楽しんでくれれば良いのだが、彼女とっては楽しいことではないらしい・・・

本人の性格と今まで生きて来た生き方は色々な方面で一生影響すると思う。

ホームでも色々工夫してくださっているが、記憶に留まらないので、楽しかったことも一緒に消えてなくなってしまうので、母の場合は残念だ。いや、みんなそうなのかもしれない。

できるだけ訪問して、会話の機会を増やしてあげることだが、これも忘れてしまうので本当に難しい。しかし家族の訪問を楽しみにしている気持ちがある間にできるだけやってあげたい。


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