2012年6月5日火曜日

『ミッドナイト・イン・パリ』 by woody allen


Woody Allenの最新作 "Midnight in Paris"を観て来た。

巷では最高傑作って言っていたけれど、本当にそうかな?

いつ行こうかと前から気にしていたら、丁度吉祥寺のバウスシアターでやっていたので、掃除をそっちのけにして観て来た。
この映画館は小さくて汚いけれど、上映する作品はバカにならない。良いものを選んでくれる。

監督の個性は出ているけれど、ちょっと盛りだくさん過ぎて疲れた。彼が書く文章のように、又彼のしゃべり方のようにめまぐるしくせわしい作品だ。過去に行ったり、時空を超えて辞書の動詞の活用の世界に入り込んだり、ボバリー夫人に会ったり、彼の作品はいつも忙しい。

でも、この映画を観ながら一人で一週間滞在してくまなく歩いたパリを思い出し再度満喫できた。カメラが歩いている感じを良くつかんでいた。歩くという点ではこの主人公の作家のギルと私は気が合うかもしれない。

今までに監督の映画はかなり観ていると思う。
前作の『それでも恋するバルセロナ』とは又作風が違って着眼点は面白いが、真夜中からあれだけの有名人が次から次へとてんこもりに現れるのは現代人には疲れる。フィッツジェラルド夫妻に会うだけでも大事件なのだから。

当時のムーランルージュでは、あれらの人々が互いに行き来しているのは当たり前なことなのに、現代人があそこへ行くと今では超有名人なってしまったダリだのピカソだの私の好きなロートレックなどがその辺にゴロゴロいるのだからたまらない。

古き良き時代とか昔は良かったとか言うけれど、今が最先端のはずの現在も未来から見たら通過点に過ぎない。それがメッセージかな?と監督の声を聞いたような気がした。

主人公のギルはあの婚約者と結婚するよりは、パリの町を雨に濡れながら歩くのが好きな古道具屋の彼女と暮らす方が人生ずっと素敵だと思う。
ともに暮らすならば、価値観が近いというのは素敵なことだ。

サルコジの奥さんのカーラ・ブルーニが本物の美術館員みたいでいい味を出していた。いかにも自由で、おかしな女性だとつくづく思う。

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