2012年7月26日木曜日

弱音を吐こう介護日誌(32)〜驚異の記憶力! 〜メルシー、越路吹雪さん♪

今日のオババのアクティヴィティはカラオケ大会だった。

オババは歌が結構好きなので、「行ってみたら?」と薦めてホールへ。

進行があまりにも下手で、老人たちが知っている曲が全くない!つまらないので私だけそっと部屋に戻って来た。

すると、少ししてオババも戻って来た。
「歌おうと思っても知っている曲が一つもないよ〜」と残念がっている。
「あれは進行係の勘が悪すぎるよ、選曲がなってない!みんなを何歳と思っているのかしら?」

そこで消化不良のオババの為に何か昔歌っていた歌がないかなあ〜?と必死で思い出した。
お皿を洗っていると鼻歌が聞こえて来たなあ・・・ムムム・・・「そうだ、サン・トワ・マミーだ!」いつも歌っていた。
記憶が全てすっ飛んでいるけれど、歌は歌詞を見ると歌えるから、試してみよう!

「ふたりの恋は〜終わったのねえ〜♪」私が歌い出すと
「ゆるしてさえ〜〜くーれないあなたあ〜〜」と気持ち良さそうに続く。
「ええっ!!お母さん歌詞覚えているの?」
オババがポカンと嬉しそう。
「どうして歌えるのかしら?でも音がはずれてるし声も出ないけど・・・不思議ねえ」
メロディーはともかく歌詞が出て来るとは思わなかった。脳のどの部分なのだろう?同じ記憶でも壊れているところと壊れてないところがあるの?

私は脳の専門家ではないから分からないが、専門家に聞いてみたい気がする。
ホームの精神科のドクターはまじひどかった。全くひどい診断だったから頼る気にもなれなかった。日本の精神科の医療のレベルはまだ低いのだなあと思ったが、、、

これから何かを引き出して、彼女の失ってしまった記憶を取り戻す手がかりにならないものだろうか? 浜田先生〜〜!! 先生がいらっしゃったら相談したい。

母は越路吹雪の歌が大好きだったので、愛の讃歌、誰もいない海、と歌うと所々歌詞を思い出して付いて来る。
しかし何よりも「サン・トワ・マミーだ!」歌詞はメチャメチャだし一杯抜けているけれど嬉しそう、これで勝負をかけよう!!

正しい歌詞をiphoneで調べて、日記帳に書き出す。
一緒に歌う。
ちょっと変な所は直してあげると、直ぐ直る。
次は一人で歌って!
「パーフェクト!」直したところが完璧に直っている。昔教えた時よりずっと覚えがいい。
ホーム長さんのお名前を何度言っても直ぐに忘れてしまうのに、今持って行ったばかりのゼリーのことは直ぐ忘れてしまうのに、歌詞とメロディーは覚えている、定着する。

何だか二人で涙出しながら喜んだ。
少しでも記憶が残っているって!!教えた所が記憶として残るなんて!!!
こういうのを希望っていうのかもしれない。

理論的に脳の○○分野だから〜〜云々なんて言われるかもしれないけれど、どうでもいい。彼女の脳に歌が定着した。歌詞が定着した。何も覚えられなかった母が歌詞を覚えた、それだけで最高に嬉しい!

merci beaucoup! 越路吹雪さん!
次は『ラストダンスは私と』だな。

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