2012年11月2日金曜日
『不敵雑記 たしなみなし』 by 佐藤愛子
佐藤愛子さんの作品との出会いは、信州で一人で暮らしている母に何か良い本はないかしら?と模索していた時に発売になったばかりの一冊の本(エッセイ)の書評を目にし、読んだら面白かったので直ぐに母に送ったことにある。
今ではその本のタイトルも忘れてしまったが、やっていることが母生き写しで可笑しかった。
まず、年齢が母に近かったこと、そして性格というか気質がその時の母を励ますにはピッタリだったことが理由だ。
当時の母は、「まるで自分を見ているみたい」と、その後彼女の本を何冊か自分でも買っていたような気がする。
田辺聖子さんと同様に母にフィットした。(田辺さんは何となく顔まで似ているのだ、本人曰く「あの人ひょうきんな顔をしてて私みたい」だと。)
昨年の暮れに、『これでおしまい ーー我が老後』を懐かしく思って母に贈ったが、もう彼女のことを忘れてしまったみたいだった。それでもホームのテーブルの上に置いてあるから、時々読んでいるのだろう。
気にしても仕方ないが、ほぼ同じ年齢で、、、ちょっぴり寂しい。
この『不敵雑記』はスペイン語の友人から借りたもので、彼女の方が私より10歳程年上なのでより切実に共感できるらしく、「いちいち、そうそうって言いながら読めるわよ」と言って渡してくださったが、やはり私でもいちいちうなづいてしまった。
これは年齢に関係なくやはり気質というか気っ風の問題だ。裏表のないさばさばした人間にフィットするのだろう。
佐藤さんも自然体なのだと思う。あのずけずけ言う姿から正直なのが良く分かる。苦労人がユーモラスなのはたまらない!
これからの自分の在り方に勇気をもらえる気がする。
うちのおばばさんももう少し頑張ろう!お迎えが来るまではね。
たまにはこんなエッセイもいい。
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