2013年1月9日水曜日

認知症の特徴 〜寂しさとプライドコントロール〜

久しぶりにオババが爆発した。

ここのところ穏やかだったのだが・・・
今日のお昼近く、
「ソラちゃん、直ぐ来て。私、具合悪くて。こんなに具合悪いのにお風呂に入れって言うの。自分の身体は自分が一番よく分かるから入れないって言ってやった」
すごい勢いで怒鳴り散らしている。

どうも大げんかをした雰囲気だ。
でも声は出ているし、しゃべれるからまだ大丈夫とみた。

「うん、今日はもう少ししたら行くよ。これからお昼食べて直ぐ行くから待っていてね」
「え〜、直ぐ来てくれないの。具合悪くて・・・」
「看護婦さんに言ったの?」
「あんな看護婦だめよ、何も看てくれない。お風呂に入れなんて、とんでもない」と言いながら咳こむ。(実際はきちんと看てくれている)
が、かなり痰がからんだ深い咳をしている。

正月早々喘息の兆候が出て、大騒ぎ。
5日の夜にホームから電話が来たので、翌朝行ってみるとゼロゼロ言っているが、まあ持ち堪えそうだ。対処が早かったので多分ひどくならないで発作の手前で済みそうだった。

そして今日は9日。
すっかり鼻声になって風邪が併発しているようだから、なかなか全快しない。

多分体調が悪いから虫の居所が悪く少し気が立っているのと、車椅子などがもどかしくてストレスになって仕方ないのだろう。タンスの洋服をいじったと怒りながら、お風呂のことで看護婦さんと大げんかして、困らせて、興奮して咳込みながらあまり具合悪いと言うので、先生を呼んだらしい。

まあ、私に言わせるとけんかするくらいの元気があれば大丈夫!
人間本当に具合悪ければけんかなんかできないのだから。

先生にステロイド系の薬を処方してもらい、面目は保たれた。それに恐れ多くも、先生がわざわざ往診して下さったということで、大事になってしまい、きまり悪く思ったらしい。すっかり愁傷な顔をしている。

今回の喘息騒動は、多分無意識に寂しさが影響していたのだと思う。

昔から辛かったり我慢することがあると必ず喘息の発作の出る人だったから・・。
もしかしたら自分で発作を起こしているの?と疑いたいこともあった程だ。

と言うのも、元旦に新年と誕生日の挨拶にオババを訪問し、翌日の夜遅くには主人の一家が軽井沢で年越しをしているので、私たちも合流し挨拶に行かねばならなかった。何しろ旧家の長男だから大変なのだ。

よって、毎週水・木と必ず母を訪問していたのに、火曜日に訪問したきり、4日間誰も行けなかったことになる。一日待てば兄たちが来るのだが、そこまでの知恵がない。

多分このように日にちが開くことはまずないので、寂しくて仕方なかったのだろう。無意識のうちにそれがストレスになって発作の前兆が出たのだと思う。

この人はこういう人なのだ。
だから私は何をおいても、水・木は訪問するリズムを壊さないようにしていたのだが・・・
「いいよ、ソラちゃん。年末年始は何かと忙しいからね〜お客さんもあるし・・・」と快く応じてくれたのを真に受けた私が迂闊だったか?
みなさんに、「ソラちゃんが来ない、ソラちゃん来ない」と訴えていたらしい。
ノートを見たスタッフが
「ソラさん、軽井沢って書いてありますよ」と言ってくれ、納得していたらしいが。

ここで、認知症の人の、心の落着きを保つためには:

1.できるだけ規則正しいリズムを作ってあげて、それを崩さないこと。
 *それによって、曜日とか時間に興味を持たなかった人にある種の時間の単位が生まれることになり、それは正常に生きる為にとても大切なものになる。
 *習慣化することにより、決まった動作ができるようになったり、待ったり、楽しみにしたりする感情が生まれる。

2.感情を傷付けたりプライドを傷つけたりしないで相手を尊重すること。そして、時々誉めてあげること。
 *信頼関係がうまれ、これが母には一番大切な接し方だと思う。自分を良く思っていない人や口先だけの人に対する反応は鋭くて、ビックリ!直ぐに見抜く。

3.正直に接し、間違っていることはきちんと説明してあげて正してあげること。
 *これによって、母は自分が道にはずれていないことを認識して、胸を張って存在できることになる。プライドが高いので間違ったことはしていないという自信を持っていたいのだ。入居当時と比べて、むしろ正常な判断ができるようになっているような気がする。

ホームの人は、母の状態が記憶は別にして、認知症的にはむしろ快方に向かっているような気すらする、と言って下さるのだが、とても珍しい例のようだ。
私も悪化しているとは思えないのだ。

ホームの人々の母の尊厳を守って下さる接し方と、家族がいつも訪問し寂しい思いをさせないことが効果を上げているように思える。
あるいは、うるさい娘のソラさんがしょっちゅう行ってみんなに挨拶して仲良しになっているせいかも・・・なんて思ったりしている。


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