2013年9月12日木曜日

『メキシカン・スーツケース』 〜The Mexican Suitcase ロバート・キャパとスペイン内戦の真実

2007年メキシコで3つの箱が発見された。




その中にはロバート・キャパ、ゲルダ・タロー、デビッド・シーモア、これら3人が撮ったスペイン内戦中のその目で捉えた報道写真のネガが4500枚入っていた。

内戦から70年の時を経て、スペインからの難民がメキシコに渡って人生を立て直したように、同じような足取りで、このスーツケースに入ったネガも色々な人を経てメキシコに運ばれ、とうとう世に出たのだ。
まるで何かに守られ導かれたように。



この夏のスペイン語のクラスの映画は『蝶の舌』だった。

この映画の舞台だった1936年以降スペインは混乱と恐怖のフランコ政権の時代に突入するのだが、その内戦を生き延びて来た人々は、決して当時のことを口にしなかったという。

ところが戦争を知らない孫の世代が、自分の祖父母たちがどのように生き延びて来たのか、それが人々の心の傷に触れ傷口をこじ開けることになったとしても生きているうちに真実を知りたい、語って欲しい、後の世に伝えて欲しいと、訴え始めたのだ。

これらの写真は、『忘れてはいけないこと』を後の世に伝える為に発見されたような気がしてならない。モノトーンの本物の写真は、今のCGの世界に比べると何とリアリティがあることか・・・戦争の写真は近くで撮らないと意味がないと渦中に飛び込み撮り続けた3人の写真家はすごい。戦士の、瞬間の顔の表情まで撮れているのだから。

生きるとは?
その時だけではなく、自分が産まれる前から、そして死後にもずっと関係するのだと認識する。




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