2013年10月19日土曜日

『(株)貧困大国アメリカ』 岩波新書 〜堤未果

お友達のSさんにお借りして、大変興味深く読んでしまった。


とても面白かったので一気に読み終えたかったのだが、なかなか日常が忙しく、今日になってしまった。

この本を読むまで堤未果さんを知らなかったが、今になってみるとああ、あの人かと思い当たる節がある。

例えば9.11の時に野村證券に勤務していて、事件に遭遇したこととか、クーリエ・ジャポンの『貧困大国』の特集記事で目にした名前だ。



冒頭に記したが、大変興味深かった。
普段気になっていた事、頭に浮かんで疑問に思っていた事が、はっきりと書かれていたからだ。こうなのではないだろうか?と思っていた事が、その通りだったこととあるいは現状はそれ以上だったということだ。

自由の国だったはずのアメリカが、恐ろしいことに巨大資本に動かされ、政府にコントロールされ、実は貧者、あるいは大多数の人々にとってとても不自由な国になってしまっている現実を突きつけられた。

しかし、それはアメリカだけではなく、日本もそこに向かって歩いているのかもしれないという予感。

食の貧しさは、その国の貧しさも現すと思う。アメリカの食材が農薬や生産過程において、利益や効率を追求するあまりひどいことになっているようだ。

もう何年も前になるが、野沢温泉に母を連れて行ったことがある。
そこは我が家が何十年も家族で毎年行っていた所だが、父が亡くなって大分遠ざかった。久しぶりだったが、少しも変わらず、とても良い温泉地だった。

タクシーの運転手さんが言っていた、「大手の資本が買収に入って来て大変なんだ。質を持続させるには一件でも渡しては駄目なんだ。村のみんなの一致団結と協力が必要で、何から何まで村でやらないと・・・。だけど、本当に大変なんです、勝てっこない相手と戦うのだから。お金は魅力だからなあ〜」と。

あれから10年以上行ってないが、どうなっただろうか? 村はあのままだろうか?

それと同じで、アメリカが国ごと巨大資本に飲み込まれて、質の低下が起きている。
1%の人々に動かされようとしている。

本当の自由の国だったら、どのように恢復していくのか、楽しみだ。
みんなが怠惰と堕落から脱して、トリックにはまらないように賢くならねばならない。はまっている所は、誰かが作り出した虚構に過ぎないのだから。

私たち日本人も、いや全人類が賢くならないと、私腹ばかり肥やすずる賢い人々には勝てない。

0 件のコメント:

コメントを投稿