2013年3月13日水曜日

『マリーゴールドホテルで会いましょう』 〜The best exotic Marigold Hotel

マリーゴールド・ホテルで会いましょう

久しぶりの映画だ。『天地明察』以来だから劇場で映画を観るのは5ヶ月ぶりということか・・・

以前から観たいと思っていたが、なかなか時間が取れずにいた。今週で終わりだというので、見逃したら大変!と、慌てて観て来た。


ジュディ・デンチは大好きな女優さん。しわくちゃだろうが、太めだろうがすごい魅力だ。私もこんな迫力のある老人(?ごめんなさい)になりたいものだといつも思っている、理想の年輩者だ。
特に『ショコラ』のおばあさんは大好きだ。


マリーゴールド・ホテルで会いましょう そこにマギー・スミスときたら、『ラベンダーの咲く庭で』を思い起こすが、今回も見事な二人だった。

『八月の鯨』ではないが、出演者はじいさん、ばあさんばかりなのに何とキュートで素敵な映画なのだろう!
こんなに後味の良い映画は久しぶりだった。

インドの高級リゾートで老後の日々を楽しむために行ったはずのイギリス人男女7人だが・・・そこは高級リゾートになるはずのホテルのようだ。そしてそこで出会った彼らがそれぞれの人生の捉え方の中で何を見つけるか・・・

老後という言葉に値する彼らが、決して老後ではないむしろ新しい人生が始まる瞬間はたまらない。

一番わくわくしたのは、イギリスでは時間がかかり過ぎて歩けるようになる前に寿命が終わってしまうと、股関節の手術のためにわざわざ嫌悪丸出しの大嫌いなインドへ来たミュリエル役のマギー・スミス。

その偏屈ぶりの素晴らしさと、偏屈だからこそ生きて行くそのパワー・・・
彼女が車椅子から立ち上がり歩き始めた瞬間に取り戻す人生、よぼよぼのおばあちゃんがキラッと光ったプロの目でパソコンを叩き始める瞬間、そのしたたかで生き生きした姿への変身は、スカーッとして、"格好いいぜ、ばあちゃん!!"と叫びたい程気持ちが良かった。(実は拍手をしたかったほどだ)

還暦を過ぎた私は色々気を遣って生きて来た。
義務や束縛から解放され自分の人生を歩める日が来たら、、、とわくわくしている私である。

けれど、現実はオババの介護に子供たちの本当の意味での自立等、もう少し時間がかかりそうだ。
だからこんな映画があると、とても励まされて、気持ちが楽になる。

[余談]だが、日本の女性は肌がきれいなのだなあ〜とつくづく感じた。
外国の女性はたとえ女優さんでもしわくちゃになる。けれど、日本女性はおばあさんでもあんなしわが寄らない。
だから日本女性であるということだけでとても幸せなことなのかもしれない。

[余談その2]
Bunkamura最終週のせいか、13:50からの回は満席。
2〜3、空いていた席も、予告の時にすっかり埋まった。観客は比較的年配者が多く、ご夫婦で来られている方々もたくさんいた。

最近映画館がクローズする話をよく聞くが、まだまだ映画ファンはたくさんいると思うのだが・・・やはり私はこういう人の手で作った感じのする映画が好きだ。
どうか観客数だけで映画を判断せずに、ミニシアター系の質の高い映画をなくさないで欲しい。

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