2014年2月14日金曜日

『もっと泣いてよフラッパー』 〜観て良かった、、、ポッ!

一年に一度はミュージカルか演劇を観ることにしている。

前回は、2012年の夏の『ふくすけ』だったから、今回は間が開いてしまった。色々あったから仕方ない。

今回はシアター・コクーンでやっている『もっと泣いてよフラッパー』


行って良かった!

松たか子さんは『花の乱』以来のファンだ。
男女ともに私は特別なファンはあまりいないのだが、彼女は初めから注目に値する人であり、キラキラ輝いていた。大好きだし、彼女の出る作品はいつも観たくなる。

顔の表情の中のほんの少しの部分、そんな何かがどこかしらうちの家出娘に似ているせいかもしれない。

演出の串田和美さんは、NHKの朝ドラ『おひさま』の主人公陽子の嫁ぎ先の舅をやった時に初めて意識をした。この人の中から出て来る穏やかな温かみと存在感は何なのだろう?と思った。
その時調べてビックリ!この人が串田孫一の息子で、こんなすごい演出家だったとは知らなかった。

この作品が串田さんと松たか子さんが関係していると知ったら、すぐ行きたくなり、Bunkamuraの先行予約で早速チケットをゲットした。膝が痛くて行けないかもしれないなどとは考えてもみなかったし・・・。

私は『シカゴ』とか『フォッシー』や『キャバレー』とか、とにかくあの辺の逞しいダンサーや娼婦を描く作品が大好きなのだ。そう、ロートレックの作品が好きなように。

こうして、フラッパーは、最初から最後まで目が離せず、涙も笑いもドキドキも高揚感も全部盛り込まれた素晴らしい作品だった。最初から最後まで舞台の上でずっとなま演奏を聞けるのがたまらない。

以前吉田日出子さんがやった作品ということで、そういえば彼女の衣装を何となく覚えている。あの独特な声と供に。

まず、注目したのがみんなすごく楽しそうに演じていることだった。チームワークが良くて、全員がファミリーになっているように感じる。先行予約で前の良く見える席をgetしていたので、みんなの表情がめちゃくちゃ見えるのだ。
それにみんな何でも自分でやっているのだ、作り上げたものの実力を感じる、うまい!

松さんの美しさには、びっくり! 肌がきれいだと思っていたけれど、本当にきれいで、輝いていた。『ふくすけ』の多部未華子さんもきれいだったけれど、松たか子さんには言いようのない花があって、本当にスターなのだと思った。

彼女の鈴のような声も心地よく印象に残る。

松さんのご主人佐橋佳幸さんとDr.KyOnさんのユニット"ダージリン"の音楽が素晴らしく、これも行きたかった理由の一つだったのだが、舞台と一体になって、身体に響いて来て、何とも言えない効果だった。
串田さんの音楽に関するセンスが普通ではないのだろう。

この作品はせつなくて、可愛くて、楽しくて、寂しくて・・・サラ役の秋山菜津子さんがとてもいい味を出していたが、登場人物たちがたまらない。
コミ帝国皇太子の片岡亀蔵さんを、初めてっきり生瀬勝久さんかと思い込んでいたのだが、その切なさは、冷たく硬くなった心を溶かしてくれる。

松尾スズキさんはなんとも可愛いギャングのボス。ふくすけの時よりずっと人間的で心温まる。

半沢直樹で卑怯な上司をやった、石丸幹二さんはやっぱりどこそこ裏切りそうな危うさがあって、けれどすごい芸達者なのだと・・・サックスもうまい、歌もうまい。

つまりみんな芸達者で、歌あり、踊りあり、演奏あり・・・何でもできないとやれないのだと、みんなが全員参加でそれをやっているから作品に厚みがあって、何とも完成度の高い、それなのに肩が凝らない、温かくて悲しくて、私にピッタリの作品だったということで、終わりにしよう。

書きたいことがあり過ぎて困る。

最後に、ギナン役の太田緑ロランスさん。初め長谷川京子がどうしてここにいるの?と思ったのだけれど、とても美しい人で、温かいのに動じない個性があって、とても素敵だった。
そして、串田和美さん演じるバウバウ小僧は、最初鼻が丸い格好の仮面を付けているのでてっきり笹野高史さんがやっているのかと思ってしまった。
けれど、声が違う、クラリネットは吹くし・・・みんなが入れ替わって何役もやるので、しまいには誰がだれか分からなくなって・・・ギャングもどっちのギャングかわからないくなり、生きているのか死んでいるのかも分からなくなり、、、とうとう「どうでもいいや!楽しいから、気持ちいいから」という境地に達してしまった。

『とにかく夢中、フラッパー!!!』






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