2017年1月9日月曜日

2016年 忙しい一年でした

子育ての時が一番忙しいと思っていたのに・・・65歳になってこんなに慌ただしい一年を過ごすとは!



昨年は、正月早々母がホームで尻餅をついて背骨の圧迫骨折をしたことから始まりました。認知症なので前後のことや自分の状態を理解することができないので、自分に苦痛を与える人はすべて敵になり、それを避けるために必死で抵抗する・・・ということを繰り返し、ホームの皆様に悪態をつき、手で振り払い、罵り、嚙みつき・・・聞いたこともないような汚い言葉をすごい声で吐き続けました。

そのうちに物が喉を通らなくなり、点滴も打ち止め、瀕死の状態になり老衰を待つのみになりました・・・「多分今年は桜を見ることはできないでしょう」と言っていたのですが、スタッフや家族の介護のおかげか、4月ごろ生き返りました。今は元気にシルバーカーを押して歩いている95歳です。

こうして1月から3、4月は母の生死に付き合い四苦八苦していました。毎日ホームに通い、アイスクリームやシャーベットを運んだり、サイマの施術をしたり・・・どうにか何か食べて欲しくて頑張りました。

そんな時、その前の年の12月から主人の友人夫婦と初めて4人でボラボラ島へ行く計画を立てていたのです。旅行会社に支払いも済ませてあり、1月末から2月の初めの1週間、初めてのプライベートの熟年旅行で楽しみにしていたのですが、母の容態が改善されないまま、出発の前日までキャンセルをするかしないか迷っていたのです。

結局、親不孝の覚悟を決めて、医師もまだ持つでしょうということで、いつでも帰国するつもりで息子や兄夫婦に託して出掛けてしまいました。

毎夜母が亡くなる悪夢にうなされましたが、行ってきて本当に良かったです。

帰国して、すぐ看病の日々が始まりましたが、2月の半ば、まだ母の容態がひどい真っ最中に、我が家に生後6週間のパグの赤ちゃんが来ました。夫が頼んでおいたのです。私は全くの犬の初心者。1日3回の食事と最初は散歩ができないので、家の中でのいたずらに気が狂いそうでした。そんなにもエネルギッシュで気が強く、わがままで手のかかるワンコだったのです。

私の個人的な時間はすっとびました。とにかくクレートやサークルにおとなしく入っているような犬ではなかったので、犬の顔色を見ながらの母の世話。外出はできないし、学校へ行っても餌の時間があるので、すっ飛んで戻ってこなければならないし・・・今でもこの犬には手を焼いています。自分は犬を飼う資格のある人間ではないのだと思います。自分の時間が欲しい!一人になりたい!!と欲望が顔を出します。

ペットホテルは予防注射が終わらないと預けることができないので、4月のポラック博士ご夫妻の来日の時は、夫婦でお付き合いしなければならないので、知人に1週間ほど預けました。この犬をブリーダーさんから買って連れてきてくださった方で、大の犬好きなので、安心して預けたのですが、奥様がとても苦労をなさったようです。やはりこのエネルギーと気の強さは普通ではない!!もっといい子になってからでないと二度と預けれられなくなりました。

3月頃から5月6月7月と、夫から頼まれた翻訳の仕事が入りました。本を一冊。全くの初心者なので、大変な作業でした。犬を飼うのも初心者、翻訳の仕事も初心者・・・慣れないことばかり抱えて、でもやり遂げました。本になるのは今年の3月頃ですが、何度書き直したことか!でも少しづつ読めるものになっていくのは楽しかったです。

夫の仕事で、東京と軽井沢の往復が始まり、その度に木曜の夜仕事が終わってから軽井沢に移動し、月曜日に戻ることが月2回ほどの生活になりました。夫が土日にかけての仕事も多くなり、休みがなくなるので、犬のアテンションが分散できなくなり、足に絡まれっぱなしで私には苦痛の日々です。夜夫が帰ってきてくれさえすれば、その間私は気分的に解放されるのですが、2回の散歩の時間を捻出するだけでも重荷でした。

美容院へ行く時間、友達と会ってしゃべくる時間、すべてどこかに吹っ飛んで行ってしまいました。7月にイギリスからの大事なお客様があり、8月も同じようなペースで過ぎ、翻訳も並行して見直しが続き・・・ついにワンコのヒートの時期が来ました。オムツをつけるのに格闘し、雄犬を避けての散歩に気を使い、そんな時にイギリスのオクスフォードへ、リサージェンスという雑誌の創刊50周年の催しと、翻訳の関係もあるので行くことになり、9月、もうペットホテルも大丈夫なので、いきなり10日間預けることになりました。相手はプロだ!任しておこう!!

自分はイギリスで忙しい日々だけれど、ワンコから解放された素晴らしい時間でした。いくら忙しくても、あの付きまとわれるうっとおしさから解放されたのは救いでした。でも、帰国後のしっぺ返しは半端ではなかった!!

10月は海外からのお客さまのイベントや講演会の準備等で夫の仕事の付き合いが多く、翻訳も出版社が決まり、さらに厳しい見直しに入り、時間が欲しい!日々。

そんな折、11月には息子夫婦のところの第一子が誕生。男の子でそれは可愛い、ばばばか丸出しの幸せ感に包まれました。出産後のお世話を家でしようと思っていたら、お嫁さんのお母さまが退職して時間があるので、と東京へ来てくださり。お嫁さんもほっとしたことでしょう。私は時々お顔を見に行かせていただけるありがたいばあばの立場となり、相変わらずの日々でした。12月に無事お宮参りも済ませ、すくすく育ってくれています。

母の病気、犬、二回の海外、東京・軽井沢の犬を伴った往復、夫の仕事のとばっちり、数回にわたる海外からのお客さま、翻訳、大切な人々の訃報、夫の両親のこと、孫の誕生・・・そんな折、介護保険料の支払いが始まり、年金がおりました。

65歳はめまぐるしい年でしたが、もしかしたら私の転機の年なのかもしれません。周りの世界が常に動き、変化し、私自身も本を出すことになったり、自分以外の人や犬のために自分の時間を差し出したり、自分の時間がなくて気が狂いそうだったりしながら・・・それでも自分の内部で何か変化が起きているのかもしれません。

今を受け入れて、必要とされるものがあれば自分を差し出す・・・我の強かった私の気づきの年だったのかもしれません。

2017年はもうすでに始まっています。さらに夫のすることに振り回されるような予感がしています。


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